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アメジスト

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こんばんは。
夕立雲はこちらまでは届かなかったですね。
読書記録です。

マルクス・アウレリウス
『自省録』のローマ帝国
南川高志 著

後世、哲人皇帝と神格化された皇帝の実像に迫る本です。
マルクス・アウレリウス帝の治世は、長い戦乱と長期の天然痘パンデミックに翻弄された時代でした。
哲学の理想の通りには生きられず、皇帝として必ずしも有能ではなかった人間が悩み苦しみながら、自分自身への励ましや叱咤激励を綴ったのが『自省録』だそうです。
ローマといえば浴場が有名ですが、実はとても汚かったことは衝撃でした。
映画のテルマエ・ロマエでは清潔そうな浴場だったので。
本書p159にあるマルクス・アウレリウス帝の言葉
『かくも多くの立派な友人諸君の助言に私が従う方が、友人諸君が私たった一人の意向に従うよりも、より公正である』
というのはローマの共和政の精神の大いなる礼賛でもありますが、哲学を愛する皇帝だからこそ、自らの凡庸さを自覚していたのかもしれませんね。
マルクス・アウレリウス帝の政治は基本的には、先帝の方針を継承されたもので、仕事人としてのローマ皇帝に徹した感もあります。
『自省録』は哲学に憧れた凡人皇帝が強く生き抜いた証といえると思います。
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