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マーク・ポインティング(BBC気候変動チーム)、アーウィン・リヴォールト(BBCヴェリファイ<検証>データ・ジャーナリズム・チーム)
地球を冷やす役割を担っている凍った海の氷が、観測史上、最も少なくなっていることが、最新の人工衛星データによって明らかになった。
北極と南極周辺の海氷は、太陽のエネルギーの大半を宇宙に反射する巨大な鏡のように機能している。
しかし気温の上昇により、この明るい層が小さくなると、その下の暗い海がより多くの熱を吸収し、地球をさらに温めることになる。
今回の海氷の減少は、暖かい空気、暖かい海、そして風が氷を砕くことが組み合わさって引き起こされたようだ。


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冬の海氷範囲が非常に小さいからといって、必ずしも2025年を通じて北極が記録的な状態になるわけではない。極地の状況は急速に変化する可能性があるからだ。
しかし、北極は地球全体の平均の約4倍の速さで温暖化しており、今後数十年にわたる減少はほぼ避けられない。
国連の気候変動に関する政府間パネルによると、北極は2050年までに少なくとも一度は、夏の終わりに海氷がほぼなくなると予測されている。最近の研究は、それがもっと早く起こる可能性があることを示唆している。
両極の海氷の減少は、ホッキョクグマやペンギンなどの野生生物だけでなく、地球の気候にも影響を及ぼす。
昨年発表された研究によると、1980年代初頭から中頃にかけて、明るく反射性のある氷の面積が減少したため、極地の海氷はその自然な冷却効果の約14%を失っている。
英国立海洋学センターのサイモン・ジョージー教授は、「南極周辺の海氷分布が大きく変わると、気候変動との闘いに一役買っている地球の一部分が変わる」と述べた。
海氷は、地球全体の熱を分配し、イギリスや北西ヨーロッパなどを比較的温暖に保っている海洋大循環においても、重要な役割を果たしている。
ジョージー教授は、「南極の海氷が再び大きく減少するようなことがあれば、それが海洋大循環に与える影響について人々は心配し始めるだろう」と述べた。
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