筑豊地区においてはまだ王の支配地域が少ない故、久方ぶりの謁見となってしまった。しかし私はやはり王の麦挟肉を忘れる事など出来ない。本日は燻童ー(玉葱増量)を、黄金の揚芋、医者胡椒液と共に頂戴した。十日程で、今度は王はおろか政敵の怒鳴怒子息すらいない場所(紀伊の国・白浜)へ旅立つが、王の御心であるこの童ーの味はいつまでも脳裏に焼きつくであろう。