体調不良で寝込む弟に対し、妹が以前にも一度紹介した健康食品を送ろうかと尋ねたところ、「頼む」と答えていた。前回妹からサイトを紹介された際は「見ておく」と言うに留めていたので、私は、てっきり、角が立たぬよう方便でそのように言ったものと受け止めていた。それだけに、今回、弟が妹の薦める健康食品を口にしようと具体的行動に一歩進めたことが驚きであった。私は、その健康食品を詐欺まがいのものと疑っている。そのため、自分でも調べられることは調べた。しかし、その販売会社がサイトに掲載する特許証の特許情報も実在するものならば、会社の共同代表者の前の勤め先の情報も、さしあたって裏を取ることができた。そのため、あからさまな虚偽の情報は得られていない。私が怪しいと思うのは、この会社がこの健康食品の存在を公にはしていないからだ。販売するにあたっては「あなたの信頼する知人にのみ紹介してください」「SNS等への情報掲載は厳禁」と口止めしている。更に、注文に際しては、紹介してくれた者の情報に加えて、これまでのある病気への罹患歴の報告が求められる。この健康食品は、その病気に効果があるという触れ込みで販売しているものだからだ。金額は、一袋200gにつき一万円弱と、法外に高いとまで言えるものではない。子どもの習い事の月謝程度のものだ。しかし、私は、このやり口が気に入らない。何とか妹にやめさせる方法はないものか思案しつつ、知人にもそれとなく相談してみた。しかし、返事は、色よいものではなかった。この健康食品が、明らかに健康被害をもたらすというような有害なものでなければ、責任を問うことは難しいだろうと。よって、大人である妹が本人の意思で購入する以上、それを止めることはできぬし、弟がまた、それを欲するのであれば、それを止めることもできぬと。反論しうる材料は、私にはなかった。妹は、以前、インフルエンザワクチンの件で私を説き伏せることが出来なかったからだろうか。あれ以降、私には健康食品を薦めようとはしなくなった。私のことを救うに値せぬ者と切り捨てたのかもしれないけれども。購入者達はよほど固い結束で結ばれているからだろうか。その健康食品の名前で検索しても、何一つ情報は出てこない。秘密が保たれている。この会社のサイト上でも、商品販売ページにはpwが設定されている。