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エブリン・ワン

エブリン・ワン

『悪は存在しない』補助線(多分)と感想⑸


【レイヤー⑤矛盾する2つの生存戦略】
寄せ集めの開拓地で地縁により繋がった集団の生存戦略は自然生態系の速度に合わせて供給される資源内でのやりくりを仲間と協調や棲み分けを行うことが優先され競争は停止する。
地縁は来るもの拒まず、去るもの追わずで、地縁が失われれば消えてしまう時効性のある脆い繋がりであるが、その集団の営みが行われるプラットフォームには誰もが敏感でそれを守る共通意識がある。開拓地にとって自然生態系はプラットフォームで「生存戦略としての環境維持と共生」という価値が貫かれる。

一方、資本主義では投資を元手に稼ぎ、再投資を繰り返しながら延々と資源領域を拡大し他国や他社と争い拡大していく。大規模化・間接化・細分化した資本主義の営みの一部を担う人にとっては、そこから利益を得られれば資源や環境が失われることに頓着しない。人々がお互いを気にかける想像力が働く集団の人数(ダンパーズナンバー)は150人程度が限界とされる。ある決定が自分にとって問題なければ、他人がどうなろうと、もっと言えば自身の参加する経済ゲームを成り立たせている社会・環境基盤すら壊れても気にしない。
所属集団の中の自分のポジションさえ守られればよく上位や同列の人を気にしながらコロコロと選択を変え一貫した価値観などない。
チョムスキー&ポーリンが『気候危機とグリーンニューディール』で示したように市場競争で勝ち続けることと環境維持を同時に達成する事はできない。この相反する生存戦略が村とグランピング施設に置き換えられる。
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