#ひとりごとのようなもの 入社してすぐに理由もなきいじめのような嫌がらせが始まった。毎日些細なことで寄り出されは怒鳴られ、自分の立場を守るために「怒る方も嫌なんだ」と言う先輩方…怒られない為に確認をしに行けば、当たり前のように怒鳴られたり、無視され続けた。社員に掛け合っても、何もしてくれないまま気がつけば職場で孤立させられていた。何度泣きながら帰っただろう?何度会社の駐車場で吐いただろう?そんな会社で1年が過ぎようとした時、会社の引越しが行われ、建物が新しくなった。だが、中野人間が変わった訳では無い。ただ、私にとってのひとつの希望の光が差した。それは、2箇所の部門が合併されたことだった。それにより、私は必死に自分の居場所作りを始めた。人見知りである私が居場所作りのために初対面の人達に必死に話しかけ、その人達を笑顔にするためにバカキャラとして立ち回った。その甲斐があり、そこからまた半年が過ぎようとした頃…私の周りには仕事仲間ができ、会社に行くことが楽しくなった。今まで私に嫌がらせをしてきた人達も自分の体裁を守る為に態度をコロッと変え私に話しかけてくれるようにまでなった。あーこれで私の職場環境はもう安泰だと思った。ただ、最近ふと気がついた…バカキャラを演じ始めてから1年…。私はそのせいで大切なものや言葉を忘れていた。自分の居場所や仲間を手に入れる代わりの代償は思いのほか多かった。私はこのままで本当にいいのかすら分からなくなっていた。本当の私はもうここには居ない…気がつくのが遅すぎた…らしい…