1999年12月クリスマスシーズン。世の中はミレニアム前で何となくフワフワしていたような気がした。私は会社の元同期とニューヨークでブロードウェイミュージカルを満喫してた。これはその時たまたま撮った1枚。2001年9月、ある米国金融機関で派遣社員として働き始めた。多発テロが起きてまもなくの頃、午後の眠気を覚ます非常ベルと緊急館内放送が流れた。今日、避難訓練だっけ?社員はみんな出払ってて、部署には私1人だけだった。隣の部署の顔見知りのインドかパキスタン系かの男性が、「デラ、避難するよ。荷物は全部まとめたほうがいいよ」と言われ、その人に従って、一緒に非常階段を降りた。何時間くらい待たされただろう。ビル爆破予告のイタズラ電話だった。あちこちで同じようなイタズラがあった。帰れる人はそのまま帰宅しろと言われた。待ってる間、その男性は「日本ももう安全ではない。米国は助けてくれるかな。今はそれどころではないし」と言ってた。翌日からビル入館の度に荷物チェックを受けた。それから間もなくその男性をオフィスで見かけなくなった。家族や飼ってる犬の写真など見せてくれて、にこやかに話してくれたことを思い出す。まわりは彼の正体を噂していたが想像の域を出ない。家族や愛する人、家族同然のペットがいるのに、世界から悲しい事件、テロや戦争はきっと永遠になくならないのだろう。#911 #ひとりごとのようなもの