ぼくが闇の眷属である理由をお話したいと思う。単純に、マイナートランキライザーを飲むことによって治まるはずの神経が何故か昂り、その熱情が脳を活かすからだ。思考回路が柔らかくなるせいか、素直な言築がどんどん溢れてくる。今日は素晴らしい御本を読み、すてきな一日をスタートさせることが出来たけれど、お天道様が昇っている時間は本当に辛くて、言葉なんてひとつも生まれてこない。今こうして綴ることが出来ているのは、すべていろとりどりの十数錠のかわいらしいお薬のおかげだ、頭の中が愉悦で充たされる、感覚。ダストボックスから流星のようにとび出て逃げていく言業を追いかけるのに必死であることは誰かだ。それは悔しいけれど認める。あさだろうがよるだろうがいよいよぼくはばかに成り果てるのだ。どろどろの悪意で満たされたパケツをいきよく蹴飛ばし、より夜が深く、切ないものになるようにと願う。ぼくの祈りは切実なものであるけれど、矢張り、もう少ししたらお天道様が昇ってくるわけだ。全く忌々しいよ。ずっとこの悪意まみれの沼で流れていたい。ぼくの部屋にいるはずのエトランゼが、リュウグウノツカイの尾びれを追いかける用事が出来たので留守にする旨のメモを残して深海へ行ってしまったので、こんばんはじぶんのためだけにホットショコラを作った。美味しくない。羽根布団もとても冷たい。ぼく、こんなことで絶望したくないよ、先日ロフトから伝落した時に打った左腕が熱く痛む。こんなさむいよるだもの、この文章を読んでくださってる方の中にも、古傷が痛む方、きっといらっしゃるだろう。どうぞ息災で、無理はしないで。君とも約束がしたいな。そんな、夜が訪れた。サーチライトでみつけた輝けるきみと指切りげんまん。きみに、ぼくのもってるなけなしのきらめきをわけてあげるから。やさしく、そっと、バンプキンドーナツを半分こするみたいに、あげるからね。
