2044年6月、私はボストンの大学院に通う甥っ子のスポンサーという名目でボストンにいた。20年前、新NISA制度が始まり、丁度AIバブルに差し掛かるタイミングでバブル銘柄に投資したおかげで甥っ子、姪っ子全員の留学のスポンサーをやっても生涯使い切れないくらいの資産を築く事が出来た。AIと人間の共存社会はアメリカが牽引しており、40年前、私が大学生の時に住んでいたアメリカとはまるで違う異世界にいるようだ。甥っ子達は、ボストン、カリフォルニア、ニューヨークに散らばっているので4カ月単位で立ち寄る予定だ。そう、40年前の20代の頃に戻ったような楽しいアメリカ生活が始まるはずだった!事の発端は、甥っ子が大学院で研究中のAI ディバイス(肉体にディバイスをインプラントする事で、事前にデータ化した40年前の私の記憶やDNA情報を元に肉体と精神をあの頃に戻す事が出来るもの)をインプラントした事による。ディバイスを埋め込んだ所までは覚えているのだけど、他は何も覚えていない。気づいたら懐かしい景色が目の前に広がっていて、スマホをみたら2024年6月18日になっている。どうやら、20年前にタイムリープしてしまったようだ。甥っ子よ、君が作ったディバイス微妙に失敗してるで!まさか、20代と20年前という設定間違えたのか?戻り方がわからないし、また人生やり直すか。お し ま い