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【なんか(心が)小さくてかわい(くな)いやつ1】

※これは過去の婚活をまとめた「まる婚活」シリーズの続きになります。過去投稿はフォロー→#まる婚活 からご覧ください※

街コンに参加して、「干物女」と笑われて。
何の成果もないまま帰宅した私。

あの街コンに参加して数日。
次の予定が何も決まっていなかった。

お相手男性が5~10分で目の前を通り過ぎていく婚活パーティーも、みんなでガヤガヤと盛り上がる街コンも、私には向いていなかった。


「ねぇ、今度、近くで街コンがあるんだってさ!」

ライン経由でそんなメッセージが届いた。
独身30代仲間の友人だ。

「行こうよ!一緒に!!」
『街コンかぁ…』

痛い目を見たばっかりだしなぁ。

「○○で開催されるんだって!」
『えっ! ○○!?』

「参加費2000円!」
『さ、参加費2000円で!? 安っ!!』

この○○とは、地元でも結構有名な居酒屋であった。
おつまみが美味いという小洒落たお店。

前回のお店は個人が経営するこじんまりとしたフランクなお店だとすると、
今回のお店は町の美味しいお店を紹介する地元紙でよく見かける料金高めのお店ってイメージだ。


『いやいや、2000円は安すぎでしょ!
 私、あそこ高すぎて行ったことないよ!』

さすがに私も動揺する。
街コン以前にお店に興味がある。
しかし、あの店で2000円は安すぎる。

「実はね、男の参加費が1万円なのだよ!」

うっわ! その差、5倍!!

「しかも男は前半と後半に分かれて参加だけど、女はぶっ通しでずっといられるんだよ!」

それってつまり、
女は2000円で4時間飲み放題の参加。
男は1万円で2時間飲み放題の参加。


5倍じゃない。

その差、10倍!!!
地獄かよ!!

男が完璧なる『食い物』!
いや、この場合は女が『エサ』なのか!?

「つまりね、我々女は男の2倍の数、出会える!」

うっわぁ…

「どう? 男に奢られに行くのよ!」

あばば…
こんな情報、出る場所によっては炎上するわ…


でも・・・

『行く!!』
「だよね~♪」

こうして私は友人と一緒に、ちょっと高級店へ女子会に…いや、街コンへ婚活に行くことにしたのだった。


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【自分を知らない男1】

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お見合いで出会った男性、ラーメンさん。
大らかで、優しくて、ラーメンが大好きな人。

出会った当初はものすごく緊張していた彼だったが、会話を重ねるうちにだんだんと打ち解けていった。
結婚における私の言う条件と彼の条件は一致し、彼はほとんどをOKしてくれる。

条件、人柄ともに、これまで一致する人は過去にいただろうか! いや、いない!!


結婚相談所によっては、仮交際になった相手の「真剣交際に行きたい気持ちは何%か」を聞くことが出来る。

デートを一回するごとに、お互いの結婚相談所に対して「真剣交際に行きたい気持ちは○%」と報告をする義務がある。

実はそれをお相手本人に聞かず、自分の結婚相談所経由で(裏から)聞けるという技があるのであった。


出会った初日、ラーメンさんの真剣交際へ行きたい気持ちはまさかの85%であった。
出会った初日から「彼女と婚約したい」と思ってくれていた。

普通は初対面の人間にそこまで気持ちが上がったりしない。
個人差はあれど(体感的に)初回は20~50%くらいじゃないかと思っている。

結婚相談所を使うからこそ、相手の気持ちを数値で知ることが出来るのである。
(ちなみに私は常に60%付近を前後していた)


デートも数回くりかえし、
そろそろ、彼から真剣交際への話が来るだろう、と内心気付いていた。


私からは言わない。
そこは彼に言ってもらいたかった。



とある日のデート。

(やっぱりデートの定番の)動物園に行った帰り。
個室の喫茶店で彼とランチを食べようとした昼下がり。

「あのさ…」

彼は改まった様子を見せた。
来たか?
真剣交際行きたいって言い始めるか…?

きゅっと眉毛を吊り上げ、意を決して彼は言った。



「そういえば俺、過去に入院したことがあって」


にゅ、入院?

思わぬ告白にちょっとビビる。

「病気だったんだよね」
『…え?』

「病気」

二度も言わんでも伝わってる。

『だ、大丈夫なの…?』
「え? あ、いや、今はめっちゃ元気だから!!」

深刻そうな態度の私を見て、彼は大げさに手を振った。

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