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ミチフミ龍之介
〜松本隆初期作品詩集 ♯ 109
#松本隆 #詩集
☆『ほおずきの街』
西日のなかでふるびた街の
おおきく傾いた夕焼け空に
爪をたてている巨きなクレーンが
おとす翳の下にきみは立っている
ほおずき鳴らしながら淋しそうに
街はいつだって沈んでいるさ
いちじくの花が咲き乱れても
重油の黒い水溜りひとつ
ギラリ光るのにきみは振りむく
ほおずき鳴らしながら淋しそうに
くらい軒先にぶら下げられた
魚のひきつれた眼差しが流れ
街を押しつぶす丸いガスタンクに
重なる太陽をきみは視ている
ほおずき鳴らしながら淋しそうに


もってぃ
まいにち じょうちょが ふあんてい
いまだに あなたを ゆめにみる(ウェッ)
いえずに かくした くらいかこ
あなたがいなけりゃ ゴミカスだ
とっくに あなたはいないのに
いつまで あなたをすきなまま?
としをとらない あなたは
いまだ ふるびたおもいでの なか
いきるつらさも しぬくるしみも
その すべてあいしてた
こんなおれを どうか わすれてくれ
あなたは おれの ひかり
うけとめきれぬ ものとであって
なぜか なみだとまらない
そうしてるうちに よがあけてく
きょうも したいのかいぼう はじまるよ

Lemon
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