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「安西先生……バスケがしたいです」
三井寿の様に、好きな事が一貫していたら幸せなのではないだろうか。

高校時代は服の事ばかり考えたり、
「彼氏ってどんな感じなんだろう」
と、好きでもない男の子と付き合ってみたり
模試の判定で一喜一憂したり
典型的なただの女子高生。

大学時代は
バイト代で好きな物を買ったり
当時流行っていたクラブに、流されるがまま行き今流行りの女子を気取ったり
学校には行っていたけれど
授業には出ず、友達に会いに行っていたようなもので。

社会人になってから
車の運転が下手過ぎて社用車を少しぶつけたり
自分をよく見せたくて
無理な仕事も引き受けたり
知ったかぶりをしたり

そんな生活にも嫌気がさし
ただのOLでいいのか？と自分に問い
一念発起し会社を退職し、専門学校へ。
何度も辞めたくなったが、無事に卒業。

それにも懲りず、通信大学へ編入し社会人学生へ。

自分は何者でもないのに
もっと上に行くことが出来るかもしれない
みんなとは違う
そう思い込みたかった。つまらない人間ほどもがく。

その一方で
口を開けばひとりは寂しい
早く結婚したい
と言っていた。

本当にそう思った時期もあった。

数時間後
私は入籍予定だ。
でもひとりが好きだし
別に結婚をしても何も変わらないのなら
する必要はあるのか。

何もかも嫌になった。
一緒に暮らしていても、未だにうんこをする時は緊張するし
いびきがうるさくて眠れないし
私のおやつを勝手に食べられると、本気で殺意がわくし
すでに疲れている

やり直せるならどこからがいいのだろう
何で結婚するのだろう
独居老人になりたくないから

誰がパートナーになろうと
同じ気持ちになるのだろう

年貢の納め時なのか
自分が家族を作る事に冷めても
生活して行かなければならない

何者かになりたかった私は
普通のおばさんだ
何者にもなれなく
コミュ障のおばさんになりました。

自分で自分を認めろ
普通にうんこがしたい