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空栗鼠
『月と六ペンス』サマセット・モーム
世間一般の倫理観からするととんでもない男ストリックランドの物語。
妻も子どもも捨てて、1人画家を目指す。
自分は今まで、ここまで何かに打ち込んだことあるだろうか?いやほとんどの人間には無理だろうなー。
ゴーギャンの生涯をモデルにしている小説だけど、現代の価値観で見るとかなりキツい。
死後、その絵の価値が認められる事になるし、とんでもなく酷い男なのに何故か女性にモテるところなんかはなんか男の妄想って感じもしてちょっと嫌だったなー。


空栗鼠
『地図と拳』小川哲
直木賞受賞作。
600ページを超えるボリューム!重いよ!!笑
日露戦争から第二次世界大戦終結までの満洲を舞台に繰り広げられる人間ドラマ。
正義も悪も存在しない、人がそれぞれの思想で、それぞれに行動し、生きる姿を描いた群像劇でした。
面白かったけど、難しかったなー。
小川哲の小説は『君のクイズ』に続いて2冊目でしたが、『君のクイズ』は圧倒的なエンタメで文章も読みやすく、内容も分かりやすく面白い作品でした。
一方、『地図と拳』は歴史と空想が入り混じり、人間の光も闇も描いた壮大な物語で、この作家の奥の深さを感じる作品。
地図は世界。
拳は戦争。
これは、人間の歴史そのものであるなぁ、と感じた。


空栗鼠
『黄色い家』川上未映子
大好きな川上未映子さんの新刊を一足先に読ませて頂きました!
圧巻!
この本を読んでいる間自分も“黄色い家”で少女たちと一緒に暮らしていた。一緒に喜んだり、楽しんだり、恐怖したり、悲しんだりした。
犯罪小説なのに繊細。さすがでした!


空栗鼠
『トム・ゴードンに恋した少女』スティーヴン・キング
9歳の少女が森で迷子になって、サバイブするだけのお話もキングが書くとこんなに面白くなるのはなぜなのか??
人生を乗り越えるためのヒントが沢山描かれている感じがして良かった。


空栗鼠
『終わりなき不在』佐川恭一
独特の世界観と描写。
この世を儚んだ徹底的に暗いお話しなのに、妙に飄々としていて、時々クスッと笑える。
自分のことを天才と疑わない小説家志望の男とその元彼女や元彼女の今彼などの視点で語られるこの世界の生きにくさ。
視点を変えて、世界を多角的に見ようとするが、結局はこの世界はひたすら行きにくいところでした。
この小説の面白いところは、主人公が書いた小説を丸々載せてるところ。
暗い小説なんだけど、ヒロインはやたら明るくて、彼女の視点になるとこの世界もそう悪くないと思えるのがいい。
この著者の他の小説もちょっと読んでみたい。


空栗鼠
『わたしたちが光の速さで進めないなら』キム・チョヨプ
韓国のSF短編集。どれも凄く面白かった!特に『共生仮説』は凄く胸がときめく内容だった。今まで読んだファーストコンタクトもののなかで1番優しい宇宙人が登場します。自分の中にも共生生物がいるって思える。


空栗鼠
#読了
『コロラド・キッド』スティーヴン・キング
ここ最近、キングの出す小説は本当にハズレがない!!
この人もうすぐ80歳なんだけど!どーなってんだよ!?
こちはら、三作の中篇を収録した中篇集。
三者三様、それぞれに違った面白さがあるまさにキングにしか書けない作品が揃っていて読み応えエグかった。
特にタイトルにもなっている『コロラド・キッド』は謎の死体を巡る一種のミステリーで、最初から最後までズーッとワクワクしながら読めた。ラストは意見が分かれるかもしれないけど、個人的には好き。


空栗鼠
#読了
『アクロイド殺し』アガサ・クリスティー
ミステリー界の傑作古典小説。
実は読んだことなかったアガサ・クリスティー。
いやー、面白かったー。ポアロいいわー。
このトリックはあまりにも有名だけど、この作品以降このトリックが1つのジャンルになってるのが凄いのよねー。
あまり、ミステリー小説を読んでこなかったから、今後はちょくちょく有名な作品は読んでいこうかなーって思った。


空栗鼠
『半分世界』石川宗生
とにかく一作目の『吉田同名』が凄い。吉田さんが増えるってだけのお話なんだけど、その数19329人!!!これだけの人数が一箇所に収容されて、自分自身の中は深く潜っていく笑えるけど、どこか哲学的なSF小説だった!
タイトルにもなってる『半分世界』も面白かった!


空栗鼠
『地球にちりばめられて』多和田葉子
日本という国が消滅した未来。
様々な国と様々な言語。そして、様々な人たちの人生が語られる物語。
主人公の1人であるHirukoのオリジナル言語であるパンスカや、様々な言語が飛び交い、日本語を話す人を探す旅に出る。ってくらい言語をめぐる物語なのに、SFって設定が面白かった。
多和田葉子の小説は前から気になってだんだけど、面白かったなー。他の作品も読んでみたい。


空栗鼠
『いちばんここに似合う人』ミランダ・ジュライ
ミランダ・ジュライは映画監督として凄く才能のある人だなぁ、と思っていたが、作家としても才能あるなぁ、と感心した。
彼女の映画はどれも世間一般の普通から少しズレた人たちの孤独が描かれていて、そこに共感できる人が観れば凄く面白い映画だと思うんだけど、この短編集でも、やっぱり少しズレた人たちが孤独を抱えて、そこなら抜け出したいんだけど、結局は孤独な場所に戻ってくるみたいなお話が多かった。
先日観た映画『PERFECT DAYS』もそんな感じのお話だったなぁ。
結局、人は孤独なんだよなー。その孤独を受け入れることができるかどうかで生きやすい世界になるんじゃないかと思ったり思わなかったり。


空栗鼠
『十二国記 東の海神 西の滄海』小野不由美
十二国記のいいところは、ファンタジーなんだけどほとんどが政治劇であり、人間ドラマであるところ。
今作では“王とは何か?”みたいなテーマで描かれていて、面白かった。
十二国記の世界では王は麒麟が選ぶ。前作では“麒麟が王を選ぶ”ってことで一つのストーリーになっていて、今作では選んだ王が本当に間違ってなかったのか?王制というものが本当に正しいのか?みたいなテーマになっていて、より政治的な色の強い内容になっていた。
一見、不真面目に見えるが、実は民の事を考えてクレバーに動く王ってのは愛されるキャラだなーって思う。
麒麟も見た目は子どもでズカズカ物を言うけど、真面目ないい奴なんで、この2人は愛されキャラ感凄かった。
こんな王の国で暮らしたいわ〜。


空栗鼠
『十二国記 風の海 迷宮の岸』小野不由美
実質的にこのシリーズの最初のエピソードとなる『魔性の子』を異世界側から描いた物語。
神隠しにあった少年が消えている間何があったのかを描いていて、とても面白かった。
前作では普通の女子高生が異世界へ行き、かなりヘビーな体験を通じて成長する物語だったのにたいして、今作では麒麟として大切に育てられていく。
現実世界でどうも馴染めない、ここじゃない感を感じていた少年は異世界へ行き、人間じゃないんだよ?って言われて、だから違和感あったんだー!って思うんだけど、麒麟としても上手くやっていけそうにない自分にガッカリしちゃう。
この辺りが今の異世界転生ものとは違うなーって思う。
麒麟というほとんど最高の存在になったのに、自分に自信が持てなくて、ひたすら恐縮しっぱなしの主人公が可愛い。
異世界は異世界で大変なんだなーって思いますわ。
『魔性の子』では、神隠しにあっていたのが約1年ほどで、一旦現実世界に戻ってきている。その辺りまで描かれるのかな?と思いきや、そこは描かれていなかったから、なんで一旦現実世界に戻ったんやろか??って疑問が残った。
これはまだいずれ語られるのかな?
とりあえず、今作もとても面白かったから、続きが楽しみ!
#読了 #十二国記


空栗鼠
『十二国記 月の影 影の海(上下)』小野不由美
いよいよ、十二国記本編スタート!
優等生だけど、どこか世間と馴染めないでいる女子高生の陽子が謎の美青年に導かれて異世界へ。
異世界で1人残された陽子はサバイブしながら自分がなぜこの世界にやって来たのかを知っていく物語。
とにかく展開がスピーディーで読み出したら止まらなくなる面白さ!
この物語は、異世界へと迷い込んだ少女の冒険や、妖魔との戦い、何者でもなかったはずの主人公が自分の存在を認識する過程など面白いところが沢山あるけど、何より面白いのは人物造形の深さ。
主人公である陽子は学校でも家庭でも“良い子”を演じることで、波風立たないように生きているが、それ故に誰とも深く関わることができない。いじめられてる同級生を積極的にいじめるわけではないが、周りの空気を読んで軽い嫌がらせぐらいはする。
だから、いじめっ子からも、いじめられっ子からも、距離があり、どちらからも煙たがられてしまう。
自分でもそんな自分が好きになれないでいる少女が、ある日突然異世界からの使者が現れ、ここではないどこかへ連れて行かれる。
異世界では、昼間に寝て、夜は妖魔と戦うという『ベルセルク』のガッツばりのヘビーな生活を経て、優等生だった少女が良くも悪くも変化していくのだけれど、その変化の過程をかなりじっくり描いていて上巻はほとんどそれだけに費やしている。
良い子なだけの主人公ではなく、悪意や卑劣さを持った主人公を描くのは本当に難しいと思うが、この小説ではそこをかなり丹念に描いていて、そこがすごく面白かった。
番外編となる『魔性の子』でも、登場人物の造形が深くて、そこが面白かった。
そして、現実からの逃避願望を上手く描いていて、「こんなはずじゃない自分」からの逃避は現代のテーマでもある気がする。
続きもとても楽しみ!
#読了 #十二国記


空栗鼠
『魔性の子』小野不由美
以前から読みたいと思っていた“十二国記”にとうとう手を出してしまった。
巻数の多さから躊躇していたけど、いつかは読みたいと思っていた作品。
『魔性の子』は十二国記シリーズのエピソード0的なポジションの作品ということでまずはここから読んでみた。
ファンタジーやと思ってたら、ホラーやないかー!ってのが最初の印象。
小野不由美といえば『悪霊なんかこわくない』などの悪霊シリーズ(後のゴーストハントシリーズ)でブレイクした作家なんでホラー作家というイメージは元々あったが、十二国記の大ヒットで今やファンタジー作家としての印象の方が強い。
『魔性の子』は完全にホラーだった。しかも、かなり上質のホラー小説だった。
神隠しにあったという不思議な雰囲気を持った少年と、少年の周りで起きる不可解な事故。それと同時に少年の住む街で起こる怪異。徐々に日常が崩れていき、異界へと接触していく様を丁寧な描いていて、最後まで全くダレることなく完走できた。
物語の構成がスティーヴン・キングに似てるなーって勝手思ったんだけど、きっと凄く影響受けてるんじゃないかなー?
この物語の面白いところは、少年の周りで起こる怪異だけではなく、その少年を取り巻く人間たちの醜悪さだ。
とにかく、容赦なく人間の暗黒面というか、暗部を描いていて、そこがとても面白かった。
そして、誰もが願う
“ここではないどこかに行きたい”
という願望。
これは、今まさにラノベと呼ばれているジャンルで横行している“異世界転生もの”の原初的な欲求であり、現代人の多くが持つ願望をすでに1991年(この本が最初に刊行された年)の時点で描いているというのも読んでいてとても興味深かった。
なにより、エンタメとして圧倒的に面白くて、早々に続きを読まねば!となっております。
#読了


空栗鼠
『停電の夜に』ジュンパ・ラヒリ
インド系アメリカ人作家ジュンパ・ラヒリによるデビュー作。
ピュリツアー賞など世界の名だたる文学賞を総なめにしたのも頷ける素晴らしい小説だった。
物語だけを話すと、これといった事件も起きないし、ほとんどのお話が淡々とした日常生活の一部を切り取った様な作品なんだけど、その中にある感情とか感覚を凄く的確に表現しているように感じた。
著者がインド系アメリカ人ということでインドとアメリカ、インドとイギリスなど国による文化や考え方の違いなど、微妙な感情のすれ違いを描くのが凄くリアルで上手い。
人種や国籍の違いだけではなく、性別や年齢や地位など様々な違いを描きつつ、それらを包括した物語を作っていて、凄かった。
ただ、凄く面白い小説って感じではないので結構読むのにパワーが必要だったなぁ。好き嫌いもかなりハッキリ分かれるだろうな、と思う。
#読了


空栗鼠
『みどりいせき』大田ステファニー歓人
噂の大田ステファニーさんの小説読ませてもらいましたー!
いやー、凄かった。
特にプロローグから最初の章に流れていく辺りが熱かったですね。
個人的な視点から一気に宇宙に飛ぶ感じが、面白いし、文章のセンスが凄い。
性別とか、コミュニティーとか、社会とか、倫理とか、色々なものの境界線が曖昧になっていて、現代社会の空気感を凄く上手に描き出しているなーってめちゃくちゃ思った。
なんでこの作品が芥川賞にノミネートされてないのか、不思議だわ。


空栗鼠
『星の子』今村夏子
少し前に“宗教2世”ってのが問題になったけど、この小説はまさに宗教2世について書かれたもの。
とはいえ、是非を問うような内容ではなく、宗教2世の少女が経験する世間とのズレとか、気持ちの変化とかを純粋な文体で描いた今村夏子先生らしい小説だった。
今村夏子先生の書く小説はやっぱり好きだわ。この人の小説ってひたすら不思議なんだよね。
主人公の一人称で書かれてるけど、この少女の気持ちがわからない。
ピュア過ぎて、凄く可愛いんだけど、掴みどころがない。そこが魅力。
ターミネーター2の頃のエドワード・ファーロングは確かにかっこいいよねー。
とにかくこの本の最後に小川洋子先生との対談が載ってるんだけど、それがとにかくいい!
小川洋子も今村夏子も大好きな作家なんで、この2人の対談は個人的にめっちゃ嬉しいのよ。
しかも、対談場所が大阪の新阪急ホテル!!!
めっちゃ職場から近いやん。あの場所で小川洋子と今村夏子が対談したのか!って思うと嬉しくなる。
#読了


空栗鼠
『ローズ・マダー』スティーヴン・キング
やっぱキングはおもろい!!何読んでもおもろいなー!
これ、多分映像化してないと思うんだけど、今こそこの小説は映像化すべき!!
警察官の夫に暴力を振るわれていたローズは、ある日「このままでは殺される」と感じ、長距離バスに乗り、知らない街へ逃げる。
しかし、夫のノーマンは警官としてのテクニックを駆使し、ローズに迫る…
といった内容なんだけど、ローズが骨董品屋で見つけた不思議な絵画“ローズ・マダー”を見つけたことにより、物語はどんどん奇想天外な方向へと向かっていく。
徐々にだけど、確実にローズに迫ってくるノーマンの恐怖は完全にホラーだし、サスペンスだし、ローズ・マダーから始まる不思議な展開はファンタジーでもある。
手に汗握る展開がズーーーーーーーーーット続くのがとにかく凄い。
物語的に一件落着したその後のエピソードもちゃんと描いているのがやっぱりキングが並の作家じゃないなーって思えたなー。
さて、次は何を読もうかしら。
#読了


空栗鼠
『ザ・スタンド』スティーヴン・キング
キング初期の集大成的超大作!!
いやー、面白かったー!けど、長い!笑
前半の謎の殺人ウィルスで終末を迎える描写がとにかく面白かった!
ラストも凄く良かったんだけど、中盤の新たに社会を形成するくだりはちょっとしんどかったなー。
しかし、スティーヴン・キングは凄い。
前半はSFで、中盤ファンタジー、ラストはSFホラーになってたわ。
トールキンの『指輪物語』のキングバージョンといえば、キング後の超超超大作『ダークタワー』ともリンクしている(実際にリンクしてる)
多数の主人公による多角的な群像劇はキングの真骨頂!ただし!登場人物が多過ぎて正直言って誰が誰だかわからない!笑
全巻読むのに結構時間かかっちゃったなー。
次のキング作品は何にしようかなー?

新着

空栗鼠
『世界はなぜ地獄になるのか』橘玲
誰もが自由に生きられる社会。
世界中が目指したはずの世界なのに、なぜこんなにも生きづらいのか!?
現代を生きる全て人が薄っすら感じていてるモヤモヤを明確にしてくれるのが本書です。
めんどくさい社会正義から身を守るためのには、地雷原に近付かないこと!!
結局、この本で言いたいことはそこなんだろうと思う。
「生きづらい」けど生きていくしかない!だったら少しでも快適に楽しく生きたい。そうするためには地雷を踏まないことが最も重要で、それにはまず地雷原がどこなのかを知っておく必要がある。
とにかく、読んで感じたのは、なんとなくこの世界に感じていたモヤモヤが明確になっていく感覚。
じゃあ解決策は?と聞かれると困るけど、とにかく地雷には近付かないように気をつけようって思えた。
めちゃくちゃ面白い本でした!


空栗鼠
『11/22/63』スティーヴン・キング
間もなくリリースされるキングの新刊『異能機関』があまりにも面白かったので、現在第二次キングブース中の空栗鼠です。
ということで、前から気になっていた大作を読みましたー!
いやー、さすがキング!!面白かった!
この不思議なタイトル、最初どんな意味があるのか分からなかったんだけど、上巻を半分くらい読んだ時点で、「あーなるほど」となった。
おそらくアメリカ人ならこの数字を見たらピンとくる人が多いんじゃないかと思うけど、日本人にはあまり馴染みのない数字なのかも。
この数字は
63年11月22日
で、この日はケネディ大統領が暗殺された日。
この物語は2011年から1958年に通じるタイムトンネルを通り、ケネディ暗殺を阻止するといあもの。
ケネディ暗殺を阻止ってアメリカ人は好きなテーマだよねー。
ケン・グリムウッドのSF小説『リプレイ』でも主人公はケネディ暗殺をを阻止しようとする、ってエピソードがあった。
他にも色々な小説で使われたテーマだけど、さすがはキング!そこは一筋縄ではいかない。
圧倒的なエンターテイメントに仕上げていて、どこを読んでも面白い!
そして、ラストは
なるほどー!こう終わるのか!!
って感動もある!
さすがです!キング先生!!
次は『ザ・スタンド』読むぜ!


空栗鼠
『異能機関』スティーヴン・キング
来月、翻訳版が発売されるスティーヴン・キングの新刊を一足お先に読ませていただきましたー!!(写真は原書)
もうね、圧巻!!
圧倒的に面白い!!!
やっぱりキングは凄い!改めてキングは天才だと認識した作品!
超能力を持った子どもたちを集める極秘施設、といえば日本の漫画『AKIRA』や、アメリカのドラマシリーズ『ストレンジャー・シングス』や、韓国映画『魔女』など、昔から散々使い古されたネタなのに、キングの手にかかればここまで面白くなるのか!?という驚きがあった。
“ページをめくる手が止まらない”なんて感想を時々見かけますが、正直「いやいや、それはないわ。手は止まるって」と思ってました。でも、この本は本当にページをめくる手が止まらない!!
ここまでハラハラドキドキワクワクした読書体験は本当に久しぶりで、もう「参りました」と言わせていただきたいですね。
一旦中断しても、読み始めるとスッと物語世界に入り込んでいけるのはキングの文章の上手さ、構成の上手さなんだろうなぁ。
前半では絶望と恐怖を味わい、後半では興奮と感動を味わえました。
面白い小説が読みたい方は来月発売されるこの作品をぜひ読んでみてほしいです!
HBOあたりでドラマ化してほしいなー。

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