#GRAVITY百物語 「ひとちゃんの話」長野県にいたときのお話。小学生3年生の私は、引っ越してきたばかりでしたが「ひとちゃん」という2年生の女の子と、登下校を共にしてました。ひとちゃんは変わった子で、たまに木の上など指さしては「あそこにいる、見ないほうがいい」など不思議な事を言いました。ひとちゃんはアップルハウスというアパートに住んでいて、何度か兄と共に遊びに行った記憶があります。ひとちゃんにもお兄ちゃんがいて、4人でアップルハウスの中でかくれんぼをしたり…なんの変哲もない、普通のお友達でした。ある日、また突然お引越しすることになり、私はどうしてもひとちゃんに挨拶がしたくて、母に「ひとちゃんの家にさよならを言いに行く」と無理を言い、引っ越し前ギリギリに母と共にアップルハウスへ向かいました。「ひとちゃんのところには、ほんとにお世話になったからね、お兄ちゃんの学習机もいただいて…」と、母も風呂敷に手土産を詰めて、慣れた足取りでアップルハウスへと…いつもの道を通りました。アップルハウスに着いた母と私は、絶句しました。そこには、明らかに人の住む気配がなく、荒れ果てた廃墟があるだけでした。青ざめた母に、「帰ろう…ひとちゃんも、きっとお引越ししたんだ」と手を引かれたのを覚えています。不思議な体験でした。ひとちゃんのお家からもらった、古びたお兄ちゃんの学習机には、ビックリマンシールが貼られていたのを今でも思い出します。これは私の実話です。#公式タグじゃなくなってから投稿するの好き #ちょっと怖い話 #ちなみにこういう体験いっぱいあるの