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きずあり
家族とは、子供だけでなく、大人の男女、時にペット、そして風邪も含むユニットである
A family is a unit composed not only of children but of men, women, an occasional animal, and the common cold.
Ogden Nash、投稿者訳
土曜日だが臨時の仕事で都心に向かう列車より
前回、 #vol678 の続き
少し歳が離れてやや晩婚だった弟は、社交的で如才ない少し年下の女性と結婚することになった
同じ県内のマンションに住み、やがて娘が産まれたが、私自身は息子らがキッカケで関わった少年野球で長年休日は潰れていたので、実は当初はあまり付き合いはなかった
野球好きな彼が息子らの高校野球の試合の応援に来てくれたことがキッカケで少しだけ交流が増え、当時小学校3、4年生くらいの姪の様子を知るようになった
母親が習い事に熱心で、父である弟は休日は家で留守番が多く、そんな時にたまに昼食に誘ったりした
特にピアノは単なる習い事の領域を越えて、目標全国大会出場!みたいな、ほぼ競技といえる、「勝ちに行くピアノ」というノリ
そのレベルになると近所の教室ではなく、母親が少し遠くの指導者のところへ平日夜のレッスンに連れていき、帰りは21時前後なんて生活だったらしい
息子らの試合の応援に来てもらったお礼の気持ちで一度だけ地方大会、いや、コンクールを見に行った
いわゆる発表会の、ちびっこピアニストみんなが主役!ってノリじゃないので、贈り物にお花とか持っていっていいのか?とか迷ったのを覚えてる
後日、程なくして「全国大会」への夢半ばで「敗退」してしまい、その後、燃え尽き症候群のように気が抜けたようになってしまったと弟に聞いた
姪が学校に行きたくないと言い出したのは、その少し後
同じマンションの女子の同級生で、クラスの人気者的な存在の幼馴染みがいた
その子が「自分の悪口を言ってる」と言い出したそうだが、当時の弟の説明によると現実のことでは無いとすぐにわかったらしい
単純なイジメでは無さそうで、我が子自身が少しおかしいと気づいた両親は大いに狼狽した
(更に)つづく


きずあり
もし兄弟がいれば喧嘩するというのは誰でも知っている
Everyone knows that if you've got a brother, you're going to fight.
Liam Gallagher、投稿者訳
今回は #vol588 に出てきた弟の話
次男の結婚式が無事に済み、家族関連の考え事が一つクリアしたと思っていたら、私の弟からLINEがあり、この数年、彼が懸念したきたあることのその後の様子を知った
三年前に海外に赴任した時小学生だった彼の一人娘は現在中学生
日本に居たころに既に心の病とみられる状態で不登校気味になり、環境の変化が改善につながればと、案じて渡航した
姪については勿論だが、彼の人柄的に奥さんとの家族三人のことを実は心配している
遠方で下宿していた私の大学時代の帰郷時に、高校受験を終えた弟の、それまでの経緯を父に教わった
知らなかったが私が中学時代にバレー部だったことの影響で、運動が得意ではない彼もバレー部に入っていた
だが3年時の最後の総体で、顧問が野球部、サッカー部の補欠部員を連れてきて、正規の部員の彼を控えに廻して出場させたのだそうだ
さすがに父は、学校教育の一環にすぎないのに何が目的なのかと、この顧問に抗議にいったそうだ
この出来事が彼のその後の人生を変えた
スポーツ音痴の反動でがむしゃらに勉強し、当時の県内私立高でトップと言われた高校に合格した
その3年後、きずあり一族としては初めて東京六大学の一つ、一般に私立大で一番と目される大学に、塾や予備校の類に通わず(親父にはここ大事!)現役で合格し、成績は良かったがお金がなくて大学へ行けなかった父を歓喜させた
残念ながら不器用な男で、就職時には文字通り50社で落とされて、51社目でやっと採用された
象徴的な出来事だけ書いたが、要はそれなりの逆境も、努力で跳ね返すこともしてきた、自分に厳しい男なのだ
その彼が、学校に行きたがらない娘の甘え、医師などの専門家の言葉を正として擁護する母親を「親の努力不足」と言い切ってしまうことが心配だった
続く(これもか?)
#LiamGallagher

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