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りぴー

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空想旅行vol8【リュクス・アゼル】

風に身を委ねると、まるで空が迎え入れてくれるような心地よさは、空に浮かぶ淡青と白の建築群が、まるで雲の上の王国のように広がる幻想的な国です。

この国では、日常そのものが魔法のよう。街の広場では、風を操るアエリス族が軽やかに空を舞い、その優美な舞は見る者の心を解放します。彼らが空中で織る風紡布は、着るだけで体が軽くなり、子どもたちは初めて風紡布の服を着た日の感動を、大人になっても鮮明に覚えているといいます。

半霊体のエーテラン族の長老たちは、透き通る体で浮礁木の図書館に集い、古代からの知恵を若い世代に伝えています。彼らの作るエコルの鐘の清らかな音色が街に響くと、人々は一瞬立ち止まり、心に浮かぶ幻視を大切な啓示として受け止めます。

市場では、感情によって香りが変わるミラルド香水の調香師たちが、訪れる人々の「今日の気分」を香りに変える即興の実演で賑わっています。失恋の痛みを和らげる香り、勇気を与える香り、時には忘れたい記憶を一時的に封じる香りまで、人生の伴侶として市民に愛されています。

ヴェリルの逆風渓谷では、上昇気流に乗って風喰い花が舞い、その光る花粉が夜空の星のように谷を彩ります。地元の若者たちは、この渓谷で「風乗り」という伝統行事を楽しみ、特製の風帆で谷の上空を競争します。勝者には一年の幸運が約束されるという言い伝えがあります。

夜泣きの湖では、月明かりの下、水面に映る過去の記憶の断片を、エーテラン族の導きで観る「記憶旅」が密かな観光名所になっています。自分の前世や、忘れていた大切な思い出との再会は、多くの訪問者に深い癒しをもたらします。

近年、空晶石の密採掘や風紡布の技術を狙うスパイなど、この平和な国にも影が忍び寄っていますが、三種族の協力は揺るぎません。特にエーテラン族の長が開発した「記憶の盾」という精神技術は、夜泣きの湖から現れる「失われた記憶」の実体から市民を守る新たな希望となっています。

空に浮かぶ家々の間を渡る風の橋、透明な空晶石の階段を上る時の軽やかな足音、そして夕暮れ時に響くエコルの鐘の音色。リュクス・アゼルを訪れた者は、地上に戻っても、ふと空を見上げては、雲の向こうに広がる魔法の国を懐かしく思い出すことでしょう。​​​​​​​​​​​​​​​​
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