共感で繋がるSNS
GRAVITY

投稿

れい

れい

好きなパン屋のある街に住みたい。



店の入り口は野性的なグリーンに囲まれている。言われなければここがパン屋だと分からないような店構えで、私も人から教わるまで花屋か園芸の店だと思っていた。
想像よりも軽い硝子戸を押し開けると中は薄暗く、奥にパン窯が見える。客用のスペースは3畳ほどだろうか、壁に沿って設えられた棚にでこぼこしたアルミのトレイが並び、その上にパンがぎっしりとある。つやつやと栗色にかがやくコロネ、形はバラバラなのに統一感のあるチーズパン、ずしりという音のしそうなアップルパイ。種類は多くない。品札の付いている棚もあれば付いていない棚もある。これまた非常に重厚そうな、袋詰めされたガレットの棚もある。(あとで知ったが重いのに手が止まらなくなるほど美味しい。)

パンを選んで奥に声をかけると、いつも一人でパンを焼いている爺さんが出てくる。半袖Tシャツに粉まみれのエプロン。小柄で年齢不詳。頑固親父のように見えてフレンドリー。爺さんは紙袋に店のスタンプをポンと押して、買ったものを詰めるとコリアンダー入りのクッキーをおまけしてくれる。

帰りのドアを開けるたび、爽やかな気分で今日も買いすぎたな、と思う。こんな例えは失礼かもしれないが、まるでジブリ映画に出てきそうな店だ(店主も含めて)。自宅から少し離れたこのパン屋はたまにしか来れない。何故かそのうちおとぎ話のように消えてしまわないかと心配になったりする。

好きなパン屋のある街に住みたい。
GRAVITY2
GRAVITY11

コメント

雪村

雪村

0 GRAVITY

気軽に買える価格帯と混雑度のパン屋があればそれでいいです[大泣き] 無い…

返信
うむらうと

うむらうと

0 GRAVITY

行ってみたい……![照れる]

返信
関連する投稿をみつける
関連検索ワード

好きなパン屋のある街に住みたい。