感動するくらい鋭利なコメントで | しゅらの投稿-Gravity SNS

雪の積もった山間部を電車で通過していくとき、同乗しているひとが「こんなに雪が積もってるなんて！」と言いつつ、席を立って外を眺めていた。ずっと感心した様子の彼がその場に居ることで、私一人が雪を目で通過していくことなく、その率直な目を以って雪を眺め直せたような気がする。そして、問わず語りからたまたまその場に居合わせたひと同士の会話がからまってほどけていった、車内にはだから水流ができていてわたしたち水草みたいにそよいでいたのがわかる。

考え方の相違から少々嫌悪感を抱いていたひとが私の気づかないところで気遣ってくれていることを知って、またそのひとの人との接し方に心打たれて、私の全然知らないひとなんだと思った。「嫌な人」にしてしまうと、私の中でそのひとを決定づけてしまうから、いつも誰のことも知らないでいたい。誰も完璧に正しくも完璧に間違ってもなくて良かった。