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ゆき🐝デストロ
”それでも、この星のどこかにはいたんだと”
「完全な人間は怖いと思ってた
人を見下すしかないから
あなたがそうじゃなくて良かった」
「誰でも欠落した部分はあります
多くは心の中でしょうが
最悪なのは、鈍感で感受性の薄い人たちです
彼らは、わからないものは否定する、排除すると言ってもいいですね」
「…まだ二十歳の時にね、乳ガンで摘出したの
その時には恋人がいて、私は手術の痕を彼に見せた
隠さずに
その後も、好きな人ができると必ず見せるの
それで嫌われても、目に見えるものを恐れたら、しょせんは年老いたら愛されない
女である前に、人間だから
万物の霊長たる
それに、かえって選別ができるとさえ思うから
いつか本当の人が、それでも好きだと言ってくれると」
「本当の人?」
「えぇ、あなたにもきっと」
「もしそんな人がいなかったら?」
「それでも、この星のどこかにはいたんだと」
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