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セミの幼生
一度土に潜り、再び出てきて元気よく鳴く姿がそのイメージを与えるらしい。
確かに日本代表ヒグラシと比べると、世界最大のセミと云われるテイオウゼミの鳴き声は威勢がいい。その鳴き声はもはや生物というより電動工具を思わせる。
古代中国ではそのイメージから、遺体に「玉蝉」と云われる宝具を口に含ませ埋葬する地域もあったそうだ。
画像はその玉蝉と、3世紀西晋時代の蝉を象った冠飾。
他方、ヨーロッパはフランスでは、蝉は幸運の象徴として有り難がられているらしい。元々フランスでは珍しい虫であり、やはり元気に鳴くことがその印象を与えるんだとか。
エーミールよ、お前は今日から蝉を捕まえなさい。
…あれはドイツか。
写真は蝉の装飾の入ったフランスの有名ブランドナイフ。
古代ギリシャはアリストテレスも、蝉は「再生と不死の象徴」として扱ったそうだ。
他方、イソップ寓話「アリとセミ」では計画性の無い怠け者として扱われている。
同じ古代ギリシャでも捉え方はやはり色々あるようだ。
しかし、昨日話したイメージに基づくとすればなんとなく鷹揚というか、のん気というか、良いイメージで矛盾はしない気もする。
僕もやはりそういうイメージがある。大好きなクマゼミも午前中しか鳴かず、あまり働かない。
日本では蝉は儚さの象徴だ。7年潜ったのに7日で命を散らす、儚い生き物。
また蝉日本代表のヒグラシの鳴き声というのはあまりにも感傷的だ。感傷的過ぎて、ほんとは6月から7月に鳴くのに、夏の終わりを告げる蝉のイメージがあるくらいだ。
蝉と言われて想像する文豪はやはり藤沢周平だろう(というか藤沢周平が今の日本の蝉のイメージを作ったのでは?)。
不勉強がたたりあまり読めていないが、代表作「蝉しぐれ」に限らず、蝉というモチーフを描写において多く用いているそうで。
近年は道端に倒れている蝉が急に動き出して驚いてしまうという事象が「セミファイナル」「セミ爆弾」と云われ嫌がられてしまっている。
僕の知り合いにもゴキブリと同じくらい嫌悪する人がいる。
うーむ、悲しい…。
ぜひ今年の夏は蝉を捕まえて、あの艶やかなお目目や、大きく鳴くために腹に空いた空洞(メカニック!)、クールな羽(特にミンミンゼミはかっこいい)をじっくり観察してほしい。
#あと3日




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