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Succubus❀
先日、年長が育てていたスイカをうちのクラスの子が採ってしまった。
事務所に報告に行って机に置いてたら転がって、少し割れた。
その事を年長クラスに昼謝りに行った。
「ごめん、皆が大事に育てていたスイカ、年少さんが取っちゃったの。本当にごめんね。でね、ここが割れているのは机に置いたら転がって落ちちゃったの。これは先生が悪いから、本当にごめんなさい。」
すると、「えー…。かなしい…。」「だいじだったのにね。」という声が聞こえた。
そうだよね、大事に育てていたもんね、先生も知ってるよ、本当にごめんね…と返すと、ある子が「だれがとったの?」と聞いてきた。
お友だちだよ、と名前を伏せる私に「だれがとったかしりたい。」という。
私は躊躇った。取ってしまった子は支援児で、まだいろいろな事への理解が難しい子だった。皆の怒りが向かってしまったら?でも、誰がしたのか知りたいという気持ちもわかるし知る権利もある。
「Aちゃんだよ。Aちゃんは今練習していることがたくさんあって、スイカとっちゃダメってことがまだわからないんだ…。」
フォローしようと話す私に
「そっか!Bちゃんみたいなかんじなんだね!」
Bちゃんは年長にいる支援児で、みんなはその子もまた練習中だということがよくわかっていた。
「じゃあしかたないよね〜」
それまでの緊迫した空気が緩んだ。
そこで私が、割れたところから中を覗いてみるか聞いて、一人一人に見せた。
すると担任がせっかくだから割って見てみようと言い出した。
私はそこで部屋を出て自分のクラスに戻った。
そして夕方。トイレの前で年長のCちゃんに会った。再度スイカの事を謝ろうとしたら
「せんせい、ありがとう!」と言われた。
聞き返す私に
「せんせい、さっきねスイカのなかみたの。みれておもしろかったし、タネもとれたんだよ!だから、ありがとうなんだよ!」
そこに年長の部屋から出てきたDちゃんも
「あ!せんせい、すごくおもしろかったんだよ〜だからもうだいじょうぶなんだよ〜!」
二人とも私が凄く気にしていたことが伝わっていたのだろう。
優しさに感動する。
二人して目を見合わせ、ニコッと笑うと
「せんせい、ありがとね!」
といって走り去っていった。
「こちらこそ、優しい言葉ありがとね!」
と私は見送った。
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