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りょちん♂
遠くの山間に、太陽が挟まれている。陽の光が、本日の勤めを終えようとしていた。
読本を担ぎ、独り寂しく夕陽を背に歩いていると、後ろから聞き馴染みのある溌剌とした声が聞こえてきた。
「マサル!途中まで一緒に帰ろう!」
シゲルだ。まったく、なぜコイツはどんな時も元気なのだろうか。
「シゲルか。なんだよ、なにか用なのか?」
少し不機嫌に、そう答えた。
「まぁそう言うなよ。おいおい、まさかさっきの事を引きずってるのか?悪かったよ。あんなにもタコみたいに、真っ赤な顔で膨れるとは思わんかったからよ!はっはっは!」
なんなんだこいつは!本当に反省をしているのか?まったく憎たらしいヤツだ。
「ところでよ、マサル。」
数秒前とは打って変わって、神妙な顔つきでシゲルが呼びかけた。
「今朝の新聞記事を読んだか?」
急にどうしたのだろう。
「いや、この頃立て込んでいてね。この頃あまり新聞が読めていない。それがどうかしたのかい?」
そういえば今朝の新聞は、お父が読んで、そのまま処分していたっけな。
「そうか、いやいいんだ。そんなことより、マサル。お前は人生の最期をどうやって過ごしたい?」
本当に急にどうしたのだろう。今日のシゲルはどこかおかしい。
「人生の最期か、そんなの考えたこと無かったな。そうだな、ありきたりだが、子や孫に囲まれて、眠りにつくように死を迎えたい。」
すると、昼間の時のようにシゲルは笑った。
「っぷはは!なんだよ普通じゃねぇか!そうか、そうだよなぁ、ははっ。」
相変わらずうるさいのであるが、昼間のような憎たらしさは感じず、どこか物憂げな様子だった。
「相変わらず馬鹿にしやがって。そんなに笑うような事でもないだろ?そういうお前はどうなんだよ?」
そう言ってシゲルの方を見ると、彼の姿が無かった。
消えた、どこに行った?少し焦って周りを見渡す。
キョロキョロと首を振り、後ろを振り返ると、シゲルが夕陽を背に佇んでいた。
「おいシゲル、急に止まるなよ、どうしたんだ?」
目を細めてオレはシゲルにそう問いかけると、彼は少し間を置いて応えた。
「ああすまない。」
そして改めて、彼は息を吸い、話し出した。
「俺はな、俺の最期は____」
オォォォォォォォォォォォォォォォォン
すると突然、サイレンが鳴り響く⬇️⬇️
コメント
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あずき
今度は小川くんも一緒にいるところ見たい🥹🥹
#バレーボール #SVリーグ


藍原
それによって不愉快になった人がいるってことに気づけない、納得できないなら同じ問題を起こすよ絶対。

ggrks
私と素晴らしい人生を歩みませんか?

さめちゃん
私が一緒にいるから、しぬまでいっしょにいて

ふう
せっかく両思いなのに、時間とお金がない事でケンカするの虚しい
一緒にいても価値観違って悲しい
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りょちん♂ 投稿者
すると突然、サイレンが鳴り響く。 サイレンの間も彼は喋り続けていたようだが、シゲルの言葉はかき消され、聞き取れなかった。 真っ赤な空に、シゲルが覆われる。 最期の陽光が、彼の背を強く照らす。 真っ黒な影が、彼の表情を覆い隠した。