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カナン
現実逃避に、高校の生徒会長の話でも書くか。
眠いから頭足りなくなって文書が羽ばたいてしまうかも。
生徒会はかなりの変人の集まりだったと思う。
いち生徒の私でさえ噂が耳に入ってくる。
私は文芸部で、部室は屋上に繋がる踊り場。
先輩達が集めた備品で何も無い空間が部室になっていた。
生徒会と文芸部が通じていたのは、我が部の副部長と発言権が強い生徒会の女子が付き合っているからだ。
時折、部室に生徒会メンバーが来る。
私は面倒事は避けるタイプなので彼等が来ると消えた。
その日はたまたま一人だった。
猫耳をつけた生徒会長が、我が物顔で部室に入ってきた。彼は顔色を変えずに「はずかしいから見ないで」と言った。いや、笑顔で話していたかもしれないが、私は言葉は通りにすぐ視線を持ち込み禁止の携帯に落としていた。
恥ずかしいなら取ればいいのにとか、今なら言うだろうが、彼がそんな感情などなく口先で無言を埋めようとしている配慮だと分かっていたから。会話を続けないことがお互いの為だと思った。
彼は本物の猫のように、私の横の席で黙って長いことくつろいでいた。 無関係な私と会長のエピソードはこれだけだ。
後日猫耳だった理由を誰かから聞いた気がするが興味が無く覚えていない。
本題だが、生徒会長は卒業のスピーチをするわけで、彼の事を覚えているのはスピーチがずっと心に残る話だったからだ。
ざっくり言うと、世界が輝いて見えるのは今いる場所が輝いているからだ、という話だった。
輝く学び舎を飛び出し、強く生きていけという意味だろう。
同い年の生徒会長の言葉は、どの大人の言葉より残った。
生徒たちがたてた制服の埃が、体育館の窓から差し込む光で煌めいて、まさにそんな感じだ。
普通泣くのだろうが「そうだな、いい思い出が埃のように無数に煌めいた時間だった」と手放すにも心にしまっておくにも軽すぎるチープさに笑えて有難くなった。
眠いからいうけど、何度も思い出すよ感謝してる。友達ではないが、私の人生で生徒会長は貴方だけだ。 強く生きるさ。
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