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夏実
#ムーミン
第59話『パパの思い出』④
目を瞑って歩いていると不意に脚元に
絡みつく蛇、顔を撫でる長い枝葉の群れ。
驚いて駆け出すと、大地が唸りだし、
ざわざわと周囲の木々が襲いかかります。
ここは悪魔の森だったのでしょうか。
逃げても逃げても恐ろしい顔をした
化け物たちが次々に後を追ってきます。
ようやく逃げ切った先では強い雨風が
吹き荒れ、進むことは難しくなります。
見つけた倒木の幹に隠れたパパ。
知らず知らず涙が溢れてしまいました。
まるで台風のような強風から身を守り
パパは啜り泣くのでした。
とても怖い思いをしたのですね。
しくしく泣いているパパが可哀想。
どうしてこんな恐ろしい森の奥に
孤児院が建てられていたのでしょう？
ひょっとして脱走防止？
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