母の美容待ちに父とケーキたべた！｜Luluの投稿-GRAVITY(グラビティ) SNS

胡椒の香り、夕暮れのキッチンにて

～こ〜ちゃんの塩から揚げ物語～

夕焼けが台所の窓をやさしく染めていた。
「さてと、今日はブリにしようか」
“こ〜ちゃん”は、軽やかにエプロンを身につけながら、冷蔵庫からブリの切り身を取り出した。
義理の娘“ママ”と、まだ幼い孫たちの笑顔を思い浮かべると、自然と口元がほころぶ。

「血合いが苦手だったっけな、あの子…」
包丁を手に、皮と骨、そして血合いをていねいに取り除いていく。トントン…と軽快な音が台所に響き、下ごしらえのリズムが日常をやさしく包んだ。

材料

ブリ（切り身）…2切れ（約250g）

おろしにんにく…小さじ1/2

おろししょうが…小さじ1/2

塩…小さじ1/3

片栗粉…大さじ2

薄力粉…大さじ1

黒こしょう…少々

サラダ油…適量

レモン…くし切りで適量

作り方

1. ブリはキッチンペーパーで水気をふき取り、「パタパタ」と一口大にカット。

2. ビニール袋にカットしたブリと、にんにく・しょうが・塩の下味を入れ、「モミモミ」とやさしく揉み込む。そのまま冷蔵庫で15分ほど寝かせて、味を染み込ませる。

3. 下味のしみたブリに、片栗粉と薄力粉を加えたら、袋ごと「フリフリ」して、全体にまんべんなく粉をまぶす。

4. フライパンにサラダ油を1cmほど注ぎ、170℃に熱したら、ブリをそっと入れる。「ジュワァ～」という音とともに、香ばしい匂いがふわりと広がる。途中でくるりと返して、カラッと揚げる。

5. 揚げたてのブリに黒こしょうをふりかけて、菜箸でやさしく混ぜる。仕上げにレモンを添えれば、できあがり。

「ただいま〜！」
ちょうど帰ってきた孫の声が玄関から響く。こ〜ちゃんは笑顔で「おかえり」と答えながら、揚げたての塩から揚げを皿に盛り付けた。

黒こしょうのピリッとした香りと、レモンの酸味がブリの旨味をキュッと引き締める。
「うん、こ〜ちゃんのから揚げ、カリカリでおいしい〜！」
頬をゆるませてほおばる孫の姿に、ママもふっと微笑んだ。

「みんなで食べると、なんでも美味しくなるなぁ」
こ〜ちゃんの言葉に、テーブルを囲む空気がぽかぽかと温かくなる。

そんな、なんでもない夕暮れ時の、心がじんわりあたたまる一皿だった。